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広瀬川研究レポート

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vol26.広瀬川流域の捉え方  せんだいセントラルパーク構想

掲載日:2016年2月23日

 はじめに

皆さんは「広瀬川流域」と聞いて何を思い浮かべますか?
 おそらく「広瀬川」であれば、自然、緑、生き物、アユ、サケ、ヤマメ、カエル、昆虫、野鳥、崖、地形・地質、河岸段丘、化石、歴史、政宗さん、景観、せせらぎ、ウイスキー、四ツ谷用水、六郷堀、七郷堀、田畑、名取川、貞山運河、海、、、たくさんのキーワードがパッと出てくると思います。では「広瀬川流域」からは一体どんなモノ・コトが連想されるのでしょうか。
 本稿では、広瀬川流域の捉え方についての一つの提案「せんだいセントラルパーク構想」を紹介させていただきます。


 流域とは

 流域とは地理用語で「水系を中心にして広がる雨の集まる大地の範囲のこと」(『「流域地図」の作り方:川から地球を考える』(岸 由二)より)と定義されている言葉で、足元の地面の凸凹と循環する水とにぎわう生きものの関係とも捉えることができます。
 雨が降ったら雨水は地面を伝って流れていき川に集まります(都市化した仙台では地面から側溝や雨水溝に流れ込んで下水管を伝って川へ集まる方が身近かもしれません)。川といっても源流から河口までの本流とそこに流れ込む支流を含めた広域の水系を指します。同じ水系に雨水が流れ込む広大な地面の範囲が「流域」です。また流域の端っこ・隣り合う水系との境目は、山や高地の尾根にあたります。つまり「流域」は尾根によって区分けされた谷や平地の範囲ともいえます。
 とても広大なイメージに聞こえてしまいますが、身近に流域を捉えていただくために、ぜひ雨の日に自分の家から雨水の行方を追ってみてください。もし広瀬川にたどり着いたら、あなたは広瀬川流域の住民ということがわかります。
※広瀬川は名取川水系に含まれるため、源流から名取川との合流地点までの流域とするのが一般的ですが、本稿では広瀬川創生プランの定義する源流から河口までを水系とした流域を広瀬川流域とします。

広瀬川流域図
広瀬川流域図(広瀬川プロフィールより)


 崖がおりなす流域

 水は高いところから低いところへと流れるので必ず高低差があり、平地と認識するくらいのなだらかな傾斜もあれば急斜面・断崖絶壁もあります。
 広瀬川の中流域には広瀬川が創りだした時間の造形・河岸段丘が形成されており、平地と崖の両極端にタイプの異なる地形を合わせ持つ特徴があります。そのため都市化したごくありふれた街の景色の中に、広瀬川と接する大きな高低差があらわれ雄大な景観が見られる個性的なエリア(小流域)です。

 最初にこの個性を生かしたのが伊達政宗公です。仙台城は青葉山に築城され、本丸には城下を一望できる御懸造が造られました。一方、広瀬川を挟んだ城下には河岸段丘上にある大名小路に沿って、重臣の侍屋敷が本丸を向いて配置されました。つまりここに、仙台城側から広瀬川を挟んで城下を見る、逆に城下側から仙台城を見られる「見る/見られる」の関係がありました。きっと藩主と侍の良い緊張関係があったのではないでしょうか。



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